「奇跡がくれた数式」 ☆7
恐れる必要はない
偉大な知性は貧しい出自からも現れる
今回は、「奇跡がくれた数式」を紹介します。
ラマヌジャンというインドの数学者の生涯を描いた、事実を基にした映画です。
「無限の天才 夭折の数学者・ラマヌジャン」のリメイク作品のようです。
監督は、マシュー・ブラウン。
主演は、デーヴ・パテール。主人公のラマヌジャンを演じます。
「LION/ライオン〜25年目のただいま〜」「ホテルムンバイ」「スラムドッグ$ミリオネア」名作ばかりです。
ラマヌジャンの先生役、ハロルドを演じたのは、ジェレミー・アイアンズ。
「バットマンvsスーパーマン ジャスティスの誕生」「ジャスティス・リーグ」などに出演しています。
名優ですね。「ミスト」が印象的です。
あらすじ
ラマヌジャンは優秀な数学者であったが、正式な教育を受けておらず、そのため数学を活かした仕事に就こうとするもうまくいかない。たまたま見つかった仕事から、ケンブリッジ大学の数学者ハロルドの目に留まり、イギリスへ招聘される。ラマヌジャンは妻を呼び寄せるために人種差別の中数学に打ち込む。
感想
年代が確か1920年代だったと思うのですが、当時のインドはイギリスの植民地だったんですね。そんな中、数学の才でイギリスに招聘されたラマヌジャンはハロルドとともに数学に打ち込むのですが、この映画を観ていて、どこかで観たことがあるなと考えていたんですが、「ビューティフル・マインド」「イミテーション・ゲーム」などの数学、科学の天才たちと似ているんですよね。自分が正しくて、それはわかっているのに評価をするのが自分よりバカばかりだからそれに合わせなくてはいけなくて、と。「奇跡がくれた数式」はそういった要素が多いわけじゃないのですが、どこか似たような雰囲気がありました。
あと、白い粉?で模様を描いて祈るシーンがあるんですが、インドには砂絵というものがあるんですよね、それかなとも思ったんですが、結局わかりませんでした。違うかも。もっとカラフルな砂絵を何かの映画で観た覚えがあるんですが、「きっとうまくいく」だったかなあ。
この映画、あんまり盛り上がりがなかったですねえ。時間かけてやったんだなと分かるシーンが多いんですが、その過程があまり描かれないのであっさりしてるんです。数学による苦悩がほとんどないんですね。別の要因でラマヌジャンは苦しむことになるわけですが、メインの数学はスラスラやってのけるわけです。圧倒的な天才性を持っているわけです。さらっと流れるシーンがすごいことをやっていたりするわけですね。なので、難問を前にして天才が苦悩苦節の末に勝利を手にするといったような盛り上がりはありません。じわじわと天才の生涯を見せてくれます。こういう人に限って早生なんですよね。
今回は、「奇跡がくれた数式」を紹介しました。