「存在のない子どもたち」 (おすすめ映画 評価5)
立派な大人になりたかった。
心はないのか。
育てられないのに子供を作るな。
今回紹介するのは、ナディーン・ラバキー監督作品「存在のない子どもたち」です。
予告編を見た時から惹かれていて、観たい観たいと思いながら、なかなか行けず、もう終わってしまったかなと諦めつつも検索してみると、まだ上映している映画館がありました。期待以上に素晴らしい作品でした。
両親を訴えたい。
僕を産んだ罪で。
貧しい家庭に育ったゼイン、纏わりつく不合理に立ち向かいすり減っていく。
絶望的な状況下を生きていく中で、彼の優しさが美しかった。
「立派な大人になりたかった」
この言葉は深く刺さりました。
圧倒的な不遇、不運。もし彼が、学校に行けていたら、11歳の妹を売らずに済む家庭に産まれていたら。そう考えました。
一方で、自分にも意識が向きました。自分は何をやっているのか、好きに学問ができて、自分次第である程度はどうとでもなる恵まれた環境に生きていながら、何故怠けているのか。何故全力を出さないのか。申し訳なさ、恥ずかしさ、情けなさに包まれました。
紹介ではなく感想になってしまいました。
もう公開している映画館も少ないようですので、お早めに。
blu-ray発売されたら必ず買います。楽しみです。
大好きな映画になりました。