「ミッドサマー」 ☆9

 

 

ホラー映画を期待して行くとちょっと違うかも。

 

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今回は現在公開中の「ミッドサマー」を紹介します。

 

監督は、アリ・アスター

主演は、フローレンス・ピュー。

 

あらすじ

フローレンス・ピュー演じる大学生のダニーは恋人のクリスチャン、その友人たちと共に友人の1人の出身地であるスウェーデンの山奥で行われる夏至祭へ行くことになる。

そこでは遥か昔の風習が今でも続いていて、ダニーたちは次第にその狂気に飲み込まれていく。

 

 

感想

この映画は映像が素晴らしかった。

予告編でも分かるように、舞台は山奥の草原で、白夜で常に陽が出ていて、綺麗な花が咲いていて美しい。かつカメラワークも独特で上下の動きが印象に残りました。

グロ要素が出てくる上に、ちゃんと映してくれます。グロいシーンはしっかりと映さないことが多いじゃないですか。でもこの映画はちゃんと映してくれました。なのでグロが苦手な人は厳しいかもしれませんが、そうでなければちゃんと見れるので満足できますよ。

ホラー映画ということですが、怖いというよりは不気味という言葉が合います。ホラーと聞いて想像するようなホラーではありません。

あらすじに書いた通り、大学生グループが昔の風習の残る集落に行きます。そこで様々なものを体験するのですが、一番最初のショッキングなシーンのあと、主人公のダニーに向かって彼女の恋人が「そういう風習なんだ、慣れるしかない」という主旨の発言をします。この発言の通りなんですよね。そういう風習の共同体なんです。間違ってるというのは外の人間の価値観でしかないわけですよね。この瞬間から観客はじわじわと主人公たちがとその共同体に取り込まれていく様子を観ていくことになります。

先に触れましたが、ショッキングな映像が少し出てきます。嘘だろって笑ってしまう場面もありました。でもちゃんと笑えないんですよね、何故ならそういう風習の村だから。気づいてしまうんですよね、違う風習を持った人を笑っている自分に。もちろん映画ですし、今現在もこんなことが行われているわけではありません。でも自分の持つ価値観は一歩共同体を出てしまうと、失われてしまうんですよね。価値観と共有する相手がいなければ、持っている価値観に意味がないですもの。

まあそんなことを考えた映画でした。

 

 

綺麗な映像の中のグロさ不気味さじっくり味わえる映画でした。

 

 

今回は「ミッドサマー」を紹介しました。