「パーフェクト・センス」 ☆8
暗闇が訪れた
しかし息遣いで互いの気持ちを通わせた
キスをして
頰を流れる涙に気づく
2人の姿は普通の恋人同士に見えただろう
互いの顔に触れ体を寄り添わせている
目を閉じて
2人の世界を感じている
そうやって人は
生きていく
今回は「パーフェクト・センス」を紹介します。
監督はデヴィッド・マッケンジー。
主演は感染症学者のスーザンを演じたエヴァ・グリーン(グレーン)。コックでスーザンの恋人役のマイケルを演じたユアン・マクレガー。
あらすじは
ある日、原因不明の感染症が確認されます。
過去の出来事を思い出し、悲しみにくれる、その後に嗅覚が失われる。
恐怖を感じ、飢え、味覚が失われる。
激しい怒りの後に、聴覚が失われる。
幸せな気持ちの包まれ、視覚が失われる。
原因は不明。
徐々に失われていく感覚とそれに慣れ、あるいは諦め、前へ進もうとする人、下を向く人々の様子がマイケルとスーザンの関係と共に描かれます。
物語の序盤で2人が出会うのですが、そこからの展開が急なのは気になってしまいました。私のスーザンに近くんじゃない、チャラ男めと思って見ていたのですが、終盤にはマイケルのことを受け入れることができている自分に気がつきました。
1時間半ほどの映画でテンポは良いです。演技も気になりませんでした。
この作品のテーマはなんでしょうね。
味覚や嗅覚、聴覚、最後には視覚が失われる状況でも決して暗くないんですよね。ずっと悲しみはあるのですけど、それでも何かをしている人が映ってます。絶望がすぐ隣にいるんですけど、この作品には、人はそれと肩を組んで歩いていける強さのようなものを感じました。
消える感覚に触覚がないのは、人を感じる一番重要な感覚だからでしょうか。
人に触れることで、他者の存在を感じることができるからこそ、人は強くあれるというメッセージなのかもしれません。
鑑賞後、自分の中に何か残るものを感じました。
正直見終わった後は評価を☆7でつけていたのですが、この記事を書いていると次々と複雑な思いが溢れてきました。それが心地よくもありました。こうした映画にはなかなか出会えませんよね。記憶に残る良い映画でした。
五感が消えていくのは想像するだけで恐ろしいですよね。
今回は「パーフェクト・センス」を紹介しました。
良い映画なので是非見てください。
アマゾンプライムで見ることができましたよ。